CASE STUDY

顧客事例

株式会社産業タイムズ社 様

Account Engagementを活用して新たなマネタイズポイントを作る足がかりに

課題・背景

創業以来60年にわたり蓄積してきた顧客データベースの有効活用が喫緊の課題となっていました。データの使用権限が特定部門に集中し、全社的な活用が困難な状況が続いていました。この状況を打開し、新規分野への展開とデータの効果的活用による収益向上が求められていました。

導入効果

SalesforceのAccount Engagementを導入することで、企業のデータベースマーケティングにおける効果が大きく改善されました。顧客属性に基づいてセグメント分析ができるため、それぞれの顧客層に合わせたメッセージを送れるようになっています。また、AIが配信タイミングを最適化したり、シナリオ設計を自動化したりすることで、マーケティング施策の精度を高めることができるようになりました。

結果として、自社セミナー集客のために独自シナリオを設計し、メールマーケティングを行うことで集客率向上につなげることに成功しただけではなく、さらに、広告主向けの新たなマーケティングソリューションを開発できるようになりました。セグメント分析機能や配信最適化機能を付加価値サービスとして提供することで、メールマーケティングサービスの単価向上の足がかりにすることに成功しています。

このように、顧客の売上向上に貢献しながら、自社の収益構造も強化できる体制が整いました。従来の単純なメール配信から、データ分析に基づく戦略的なマーケティングサービスへと大きく進化を遂げることができました。

創業60年の専門新聞社として歩みを重ね、現在は書籍出版も手がける総合出版社として発展を続けています。情報提供をコアビジネスとし、従来の新聞・書籍にとどまらず、セミナーやイベントなど多様な形態での情報発信を展開しています。長年蓄積された専門知識とデータベースを基盤に、新たなビジネスモデルの構築に取り組んでいます。

株式会社産業タイムズ社 代表取締役社長 吉満 大輔 氏

――Salesforceの導入の背景と用途、当時抱えていた課題について教えてください

60年にわたる事業活動の中で蓄積してきた顧客データベースを、いかに最大限活用するかが当社の重要課題でした。特に課題となっていたのは、データの使用権限が一部の部門に集中しており、全社的な活用が図れていなかった点です。そこで、このデータを全社で共有し、収益向上につなげる方策を模索していました。

この課題に対し、Salesforceが提供するAIを活用したメール自動配信システムの導入が、大きな転換点となりました。緻密に設計されたシナリオに基づき、顧客が必要とする情報を適切なタイミングで届けることが可能となり、これが最大の導入メリットとなっています。

自社セミナーへの集客での活用はもちろんですが、弊社は元々保有する顧客情報へのメール広告配信サービスを行なっているのですが、そこにAccount Engagementを組み合わせることでこのサービス自体の拡充を目指しています。

今までは自社で保有している顧客データにメール広告配信サービスとして広告主のサービスを発信するメールを送るだけでしたが、AcconuntEngagementを活用することで大幅にこのサービスを昇華できると考えております。具体的には、

1.顧客のニーズに合わせて、詳細なセグメンテーションができ、それをもとにリストを作成
2.メール配信シナリオを独自で設計し、リーチ率やCVRを高めるためのメール施策
3.AI機能活用により開封率の高いタイミングでのアプローチを行う
4.さらに上記結果をもとに自動でレポート実施し、詳細結果を報告する工数を簡略化

といったようなことです。

1~3については、マーケティング精度を高めるオプションプランとして、今後クライアントへ販売できるように新たなサービス設計を行っていく予定です。

これにより、売上単価の向上、対クライアントへはよりリーチ、CVRを高める施策の提供を行えるようになり、双方に相互利益がある新サービスを設計できるようになりました。

これらの施策を効率的に展開するという観点から、Salesforceの機能が当社のニーズと合致し、新たなビジネス展開の基盤として活用しています。

――今回ORITに支援を依頼されたきっかけと、決めた理由を教えてください

最初のきっかけは、ご紹介です。Salesforce社の営業担当の方が、当社のビジネスを深く理解した上で、具体的な活用方法を提案してくださったことが導入の決め手となりました。

信頼できる方からの紹介という点で、当初から安心して取引を開始することができました。特に印象的だったのは、初回の面談から、限られた時間の中で達成すべき目的と、そのための手段が非常に明確に示されたことです。これが即決でお願いすることとなった主な理由です。

――プロジェクトがスタートしてから、当初の期待値に対して、進行の仕方や品質などはいかがでしたでしょうか

プロジェクトの進め方には、時間をかけて丁寧に進めるタイプと、限られた時間の中で目的に対して効率的に課題解決を図るタイプがありますが、ORIT社の進め方は後者にあたり、非常に効率的なものでした。

具体的には、まず綿密なスケジューリングがあり、最終目標の設定、必要な工数の割り振り、個別課題の洗い出しと、それぞれに必要な時間配分が明確に示されました。この進め方は、学習塾のような体系的なアプローチに似ており、非常に効果的でした。

――今回の導入で具体的な成果や、現場の実際の効果などを教えてください

新規事業への着手という意味で、大きな転換点となりました。特に、チーム全体が同じ方向を向いて検討を進めていけるようになったことです。Salesforce社やORIT社が提供するサービスは、当社にとって全く新しいものでしたが、特に若手社員が意欲的に取り組む姿勢を見せており、組織の活性化という点で大きな成果が得られました。今後、具体的な成果が形となって現れてくることを期待しています。

――Salesforceの利活用についての展望を教えてください

単にソフトウェアを導入すればDXが実現できるという考えは誤りだと認識しています。真のDXとは、効率化を通じて人材を育成することにあります。Salesforceは非常に高度なソリューションを提供しており、そのレベルに適応できる人材を育成できることが最大のメリットだと考えています。

業界のリーディングカンパニーであるSalesforce社に対して、当社がキャッチアップしていく過程そのものが重要です。情報の取り込みはもちろんのこと、機能を使いこなすための能力向上、つまり人材がDXに適応していく過程において、大きな価値がありました。

最新のソフトウェアを使いこなせる環境を社員に提供することは極めて重要です。私自身、以前はDXはツールの導入だけで十分だと考えていましたが、実際に取り組んでみると、DXツールを使いこなし、進化に追随できる人材の育成が不可欠だということを強く実感しました。

年配の社員は新しいツールの活用に躊躇する傾向がありますが、若手社員は積極的に使いこなそうとする意欲を持っています。時代の変化に対応できる人材を育成することこそ、企業の重要な使命だと考えています。

――最後に、どんな会社にORITを勧めたいと思いますか

成長意欲の高い中堅・中小企業にとって、ORIT社との協業は大きな価値があると確信しています。会議の進行方法、目標設定、時間管理、そして共感の醸成において、非常に優れたパートナーだと感じています。

我々は当初、全くの素人として高いハードルを感じていましたが、ORITは学習塾のような体系的なアプローチで、確実に成果を導き出してくれました。「自分たちにもできる」という自信を与えてくれる、そういった企業文化を持っている点が素晴らしいと思います。

実践の場は正に教育現場のようであり、年齢に関係なく、必要な知識やスキルを求める人に適切に提供していく姿勢が印象的です。このような技術面でのサポートと情熱的なアプローチは、多くの企業にとって共感できるものではないでしょうか。

現在進行中のプロジェクトを超えて、皆様との関係性は、今後も大切にしていきたいと考えています。

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