アニバーサリー(周年記念)事業サポートサービスを展開していたが、営業リソースの不足やノウハウの欠如により一部の新規事業が頓挫。その後、再立ち上げを目指す中で、内部リソースのみでは限界があると判断。食品業界特有のニッチな情報や既存リソースを活用しながら、新規顧客開拓とマーケティング支援を進める必要があり、営業代行を活用することを決断した。
営業代行の導入により、アニバーサリー事業サポートサービスで休眠顧客の掘り起こしや情報更新が進み、営業活動の基盤が強化された。特に、ディレクターによる丁寧な案件管理や報告体制により、効率的な営業活動を実現。さらに、資料不足の改善や新たな商談機会の創出など具体的な成果も得られ、新規事業再立ち上げだけでなく、全体的な営業力強化にもつながっている。
株式会社日本食糧新聞は食品業界に特化した報道を行う新聞社。昭和18年に食糧業界関係の六つの新聞が統廃合され、農林省(現農林水産省)の食糧統制団体の連絡機関として設立された外郭団体「中央食糧協力會」の弘報部から日本食糧新聞が発行されました。終戦後の昭和21年12月には、株式会社日本食糧新聞社として法人化されて現在にいたります。
各種新聞・出版物発行のほかに経営者・幹部向けのセミナー・研究会、食品業界の発展を支える顕彰事業、展示会・コンシューマー事業、新聞のデータベース化などを積極的に展開している。
――複数の事業を展開されている中で、今回営業代行としてご依頼いただいた領域を教えてください
当社では、これまで周年ごとに新規事業を立ち上げる取り組みを行ってきましたが、同様に長い歴史を持つ企業が多い食品業界でも、会社設立や商品発売の周年を節目として、セレモニーを催してPRしたり、記念誌や社史を発刊したりする企業も多く見られます。
そこで、食品企業の周年記念イベントや商品の周年記念プロモーションなどの業務を受託する事業を数年前に立ち上げました。この事業は、新聞事業や展示会事業などで培ったリソースやネットワークを活用し、クライアントの周年記念事業の業務をサポートするものでした。
しかし、当時は十分な営業リソースが確保できず、人手不足や営業活動の難航から一度中断しました。
最近、このアニバーサリー事業サポートサービスを再立ち上げする動きがあり、そのためのインサイドセールスをご相談させていただきました。当社単独では、本格的な営業活動にはマンパワーに課題がありました。そこで、外部の知見やノウハウを活用しながら効率的かつ効果的に新規顧客へのアプローチを進めたいと考えています。
今回の依頼では、当社独自の強みを活かしながら、新規顧客開拓やマーケティング支援をお願いしたいという背景がありました。事業の再立ち上げとともに、当社全体の営業力強化にもつながることを期待しています。
――一度頓挫してしまった新規事業で外部の営業代行を利用しようと思った理由を教えてください
主な理由は人員不足です。特に新規事業、それも過去に立ち上げたものの成果が出ず中断した事業を再び軌道に乗せるには、社員を専任でアサインすることが難しい状況でした。
当社では既存事業の運営や他のプロジェクトにもリソースを割いており、新規事業の初期段階で積極的に営業活動を展開する体制を内部だけで整えるのは困難でした。
このような理由から、まずは外部リソースを活用して新規事業再立ち上げの基盤を整え、その後軌道に乗れば社内リソースへ移行する形を目指しました。
――外部のノウハウや知見を活用することで内部よりもスムーズに進むかもしれないという期待があったとのことですが、その点について詳しく教えていただけますか?
当社内にはさまざまな部署があり、それぞれ独自の事業を展開していますが、どの部署も比較的限られたメンバーで業務を回しており、大企業のように潤沢な人員がいるわけでは有りません。そのため、既存の業務に加えて新規事業に取り組むというのは、人手不足の中でなかなか難しい状況でした。
そのため、再挑戦するにあたり内部リソースだけでは十分な成果を出せない可能性が高いと判断しました。特に電話営業などについては、どのように進めればよいのか、どれだけの量をこなせばどれだけの成果が得られるのかといった基本的なデータやプロセスすら明確ではありませんでした。外部の営業代行会社のノウハウや知見を活用しながら進めることができれば、より効率的に事業を再立ち上げられるのではないかという期待がありました。
外部支援を通じて得られる経験やフィードバックは、今後の社内体制強化にも役立つと考えています。特に営業活動における具体的なプロセスやデータ分析などは、当社にとって貴重な学びとなり、それを基盤として内部体制を整備していくことも視野に入れています。このような背景から、外部リソースを活用することで内部よりもスムーズに進む可能性が高いと判断し、ご依頼させていただきました。
――ご発注前に不安に感じていた点を教えていただけますか?
まず「どのような方が実際に電話営業を担当してくれるのか」という点が挙げられます。
今回のアニバーサリー事業のサポートというサービスは、具体的なイメージがわきづらいと思われました。そのため、外部の方がどれだけ正確に我々の事業内容を理解し、営業活動できるのかという点には懸念がありました。
食品業界の方々に電話をかける場合、業界特有の知識や用語への理解が必要不可欠です。相手から専門的な質問が出た場合、どのように対応してもらえるかという点にも不安がありました。
さらに、クロージング自体は当社で行う予定でしたが、その前段階でスムーズにつないでいただくことが非常に重要です。このプロセス次第で、営業活動も成果につながらない可能性があるため、期待と同時に不安も感じていました。
これらの点を踏まえつつも、外部パートナーとの連携によって新たな視点やノウハウを取り入れられることへの期待も大きかったため、最終的には依頼する決断をしました。
――外部アウトソースを検討される際、複数の会社を比較検討されたのか特定の会社に絞って進められたのか教えていただけますか?
はい、当社では過去に別のマーケティング事業を進めていた際に、複数の会社と話をする機会がありました。その際には、いろいろな会社から提案を受け、比較検討を行いました。ただし、今回ご依頼したORIT社については、特定の引き合いで選んだというよりも、話を進める中で自然と依頼する形になったという経緯があります。
外部委託を検討する際には、もちろん価格や提供されるサービス内容を比較することは重要です。ただ、当時は我々自身も経験値が少なく、「どれくらいの量をどれくらいの価格で、どんな形で進められるのか」という具体的なイメージが持てていませんでした。そのため、実際に一緒に取り組んでみないと分からない部分も多くありました。結果として、「まずはやってみよう」という気持ちで依頼したという側面があります。
今回ORIT社にお願いした背景としては、システム導入やマーケティング支援など幅広いサポートが可能であることが分かった点が大きかったです。最初はシステム関連の話から始まりましたが、その中で「マーケティング支援も対応可能」との提案があり、それが今回の依頼につながりました。このように、単純な価格比較だけではなく、提案内容や対応力を総合的に評価して決定した形です。
――依頼を決断された経緯を教えていただけますか?
ORIT社との出会いは、最初はマーケティングシステムの話から始まりました。具体的には、Salesforceの営業担当の方から「非常に優秀な方がいるのでご紹介したい」とお話をいただいたことがきっかけです。その際、「現在勢いのある企業で、頼れる人材が揃っている」との評価もあり、興味を持ちました。
また、ORIT社の対応力も決め手の一つでした。提案段階から積極的に意見を出していただき、「こうした方が良い」「こういう方法もある」と具体的なアドバイスをいただけた点が非常に印象的でした。単に言われたことだけを行うのではなく、自発的に提案し、こちらに新しい視点を提供してくれる姿勢が信頼につながりました。
――導入後、他の事業者と比較した際の印象や、具体的な成果として感じられた点について教えていただけますか?
他の事業者と比較した際の印象については、具体的な数値や価格ではなく、定性的な部分で評価しています。ORIT社の場合、ディレクターの方が毎回しっかりと報告を行ってくれる点が非常にありがたいと感じています。以前お願いしていた別の会社では、マネジメント体制に課題がありました。その結果、案件がうまく進まないこともありました。その点、ORIT社ではディレクターがしっかりと案件を管理しており、その安心感が大きいです。
また、以前はコストに比較してコール件数やトスアップ件数が少なく、成果も伴わない状況でした。一方で、ORIT社は良心的な価格設定でありながら、十分な成果を上げていただいています。このコストパフォーマンスの高さも大きな魅力です。
総じて言えば、ORIT社は単なる営業代行に留まらず、マネジメントや提案力を含めた包括的なサポートを提供してくれる点で非常に信頼できるパートナーだと感じています。
――実際に成果として得られた部分や、具体的な結果について教えていただけますか?
現在進行中のプロジェクトでは、特に休眠顧客の掘り起こしが効果的だと感じています。休眠顧客の場合、相手も当社のことをある程度理解しているため、認識のズレが少なく、話がスムーズに進む傾向があります。さらに、担当者が変更されて過去の情報が引き継がれていないケースでも、その情報を引き出して更新していただける点が非常に助かっています。このような情報更新は直接的な成果とは別に、長期的な価値を生むと考えています。
具体的な成果としては、トスアップ(引き継ぎ案件)の数や質が向上しており、それが営業活動全体の効率化につながっており、新たな商談機会を創出するなど具体的な進展が見られました。
ORIT社のサポートによって営業活動の基盤が強化され、これまで課題とされていた部分が改善されつつあります。今後もこの流れをさらに発展させていくことを期待しています。
――今後期待することを教えていただけますか?
今後の期待としては、ORIT社がさらに多くの案件を手掛け、石川さんが全体を統括する立場として直接対応してくださっている部分が多いですが、将来的には同じ目線で品質を担保できる人材が増えることで、より安定したサポート体制が構築されると考えています。また、Salesforce出身という強みを活かし、科学的な視点やデータドリブンなアプローチをさらに取り入れていただけると嬉しいです。
具体的には、営業成果の分析や記録の方法をよりシステマチックに進めていくことや、営業代行にとどまらずマーケティング施策全般への支援も期待しています。アドバイスやノウハウ提供も含めて、より深い支援をお願いしたいです。
――ORITをどんな会社に紹介したいか教えてください
ORIT社をお勧めしたい会社としては、「ズバズバ意見を言ってほしい会社」や、「単なるリソース提供ではなく、事業全体の成長戦略について意見を求めている会社」が挙げられます。言われたことだけを実行するのではなく、「どうあるべきか」を指し示しながら伴走してくれるスタイルは、特に悩みを抱える企業や方向性に迷いがある企業にとって非常に価値があると思います。
また、単なるコンサルティングではなく「手を動かすコンサル」として実務面も含めて支援してくれる点は大きな強みです。今後も多くの企業に価値を提供できる体制づくりを進めていただければと思います。
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