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Salesforceパートナーとは?タイプ別の違いと選び方を徹底解説

Salesforceパートナーとは?タイプ別の違いと選び方を徹底解説

「DX推進が急務だと分かってはいるものの、何から手をつければ良いのかわからない」。特に社内にITに詳しい人材が少ない中堅企業にとって、Salesforce(セールスフォース)の導入を検討する際、「どのパートナーに依頼すべきか判断が難しい」というお悩みを抱える方も少なくありません。検索すればするほどパートナーの種類や強みの違いがわからなくなり、「結局どこを選べばいいのか?」と迷ってしまうのではないでしょうか。

Salesforceは、顧客関係管理(CRM)の代表的なプラットフォームとして世界中で15万社以上、幅広い業種・業態の企業に導入され、企業のDXを強力に推進する基盤となっています。単なる顧客情報の管理にとどまらず、営業活動の支援(SFA)、マーケティング施策の管理、顧客サポートまで、顧客に関わる全ての業務プロセスを統合的に支援できる点が特長です。しかし、その高機能ゆえに、自社だけで導入・運用を成功させるのは容易ではありません。

本記事では、Salesforce導入を検討する中堅企業の現場担当者や意思決定者に向けて、失敗しないSalesforceパートナー選びの判断軸を整理し、貴社に最適なパートナーを見つけるためのポイントを詳しく解説します。Salesforce導入で確実に成果を出すためには、「安さ」や「実績」だけで判断するのではなく、「自社に本当に合った支援スタイル」で選定することが重要です。

1. Salesforce導入にパートナーが必要な理由

Salesforceは、クラウド型CRMの代名詞とも言える多機能なプラットフォームです。顧客情報の一元管理から営業活動の支援、マーケティング施策の管理、顧客サポートまで、顧客に関わる全ての業務プロセスを統合的に支援できる点が最大の魅力です。

しかし、その高機能さゆえに、自社だけでSalesforceを使いこなし、最大の成果を引き出すことは非常に困難です。特に、システム構築やIT人材が不足しがちな中堅企業においては、外部の専門知識と経験を持つ支援パートナーの存在が不可欠となります。

Salesforceの導入は、単にシステムを導入するだけでなく、組織全体の変革を伴うDX推進プロジェクトです。パートナー選定の成否が、Salesforceの導入効果、社内での運用定着率、そして最終的な営業成果に大きく影響します。中堅企業が抱える「営業情報の属人化」や「顧客接点・案件進捗のブラックボックス化」、「エクセルや紙による管理の限界」といった課題に対し、Salesforceは「可視化・共有・分析」の3つの要素で強力な解決策を提供しますが、これらの解決策を自社に最適化し、最大限に活用するためには専門家の知見が必要です。

例えば、ベテラン営業担当者のノウハウが属人化し、チーム全体の成果につながらない といった課題も、Salesforce上で顧客情報や商談履歴、行動履歴を一元管理・共有し、形式知化することで、チーム全体の営業力向上に貢献できます。このような変革を円滑に進めるためには、Salesforceの深い知識に加え、業務プロセスへの理解とそれをシステムに落とし込むノウハウを持つパートナーが欠かせません。

中堅企業がSalesforceを活用してDX投資を成功に導くためには、「外部の知見を最大限に活かす」という視点が非常に重要になります。

では、具体的にどのようなタイプのSalesforceパートナーが存在し、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。次章では、Salesforceパートナーの主な種類とその違いを詳しく見ていきましょう。

2. Salesforceパートナーのタイプ別比較|SIerとコンサルの違いとは?

Salesforceパートナーと一口に言っても、その得意分野や支援スタイルは多岐にわたります。主なSalesforceパートナーのタイプは大きく分けて3種類あります。それぞれの特徴を理解し、貴社の課題やニーズに合致するタイプを見極めることが重要です。

Salesforceパートナーの主なタイプ

タイプ 強み・得意分野 支援スタイル 支援金額感(概算) こんな企業におすすめ
SIer型 Salesforceの導入・開発に特化し、システムとして稼働させることを重視。 計画・設計からシステムの実装・テストまで、主に開発工程をリードする。 200万円〜500万円 既に業務プロセスが明確で、機能要件が確定している企業。または自社にシステム運用チームがあり、開発部分を外部に委託したい企業。
コンサル型 SFAを顧客に提供 [ユーザー提供情報]、顧客の事業戦略や経営課題に対し、Salesforceの活用を通じた本質的な解決策を提案 戦略設計を主導し、事業変革を見据えた導入を支援。 ライセンス費用を除き600万円〜900万円 事業変革を志向し、Salesforce導入を経営戦略の一環と捉えている企業。導入だけでなく、その後の活用による事業成長を重視する企業。
伴走型 Salesforceの導入・開発だけでなく、導入後の活用・定着、さらには顧客の事業成長にまで踏み込んだ伴走支援を行う。業務改革の視点を持ち、戦略策定から実行までを一貫支援。コストに対して成果が見える支援設計(ROI)。小規模でも機動力高く、柔軟に対応できる文化。 システム導入に留まらず、運用定着への継続的なコンサルティングや現場からの問い合わせ対応・トラブルシューティング、機能追加やカスタマイズの支援など、顧客のビジネス成長に寄り添う 構築支援及び伴走支援で100〜200万ほどかかることが多い。 Salesforceを導入して終わりではなく、導入後の効果的な活用と継続的な成果創出を重視する企業。IT人材が少なく、外部の知見を積極的に取り入れたい中堅企業。Salesforce認定資格保有者や、元Salesforceトップセールス出身者が在籍しており、実践的なノウハウに基づいた戦略的なサポートを受けたい企業。

Salesforce導入においては、単にシステムを構築するだけでなく、貴社の経営戦略や営業・DX戦略を深く理解し、それらの実現に向けてSalesforceをどう活用すべきかを提案し、戦略の策定から実行までを一貫して支援できるパートナーが非常に価値の高い存在となります。特に中堅企業においては、IT部門のリソースが限られている場合も多いため、導入後の運用定着まで継続的にサポートしてくれる「伴走型支援」を提供するパートナーを選ぶことが、成果に直結すると言えるでしょう。

貴社がどのような課題を抱え、Salesforceで何を達成したいのかによって、最適なパートナーのタイプは異なります。次章では、具体的な判断基準を解説します。

3. 最適なSalesforceパートナーを選ぶ3つの判断基準とは?【機能×支援体制×実績】

自社に最適なSalesforceパートナーを選ぶためには、単に費用や導入実績だけでなく、多角的な視点から比較検討を行うことが重要です。ここでは、主要な3つの判断基準をご紹介します。

1. 自社のSalesforce活用フェーズと専門性の一致

まずは、貴社がSalesforce導入において、どのフェーズにあるかを明確にしましょう。

  • 導入フェーズ: 初めてのCRM/SFA導入で、何から手をつければ良いか分からない。
  • 活用フェーズ: 既にSalesforceを導入しているが、機能が使いこなせていない、成果が出ていない。
  • 全社展開フェーズ: 営業だけでなく、マーケティング、カスタマーサービスなど、部門横断での活用を目指したい。

パートナーが貴社のフェーズに合わせた専門知識とノウハウを持っているかを確認することが重要です。例えば、SalesforceのSFA(Sales Force Automation)機能は、案件管理の効率化や行動管理の最適化、売上予測の精度向上に貢献しますが、これらの機能を貴社の既存プロセスに合わせてカスタマイズし、最大限に活用するためには、深い知見が必要です。

2. 提案力と「伴走型支援」の有無

パートナーの「提案力」は、貴社の課題をどれだけ深く理解し、Salesforceを通じてどのような「あるべき姿」を実現できるかを示す重要な指標です。単にシステムを構築するだけでなく、貴社の事業戦略から実行まで一貫して支援できるパートナーを選びましょう。

特に中堅企業に推奨されるのは「伴走型支援」の有無です。

  • 導入後の継続的なコンサルティング:貴社のビジネス成長に合わせた活用方法の改善・拡張提案。
  • 現場からの問い合わせ対応・トラブルシューティング:運用中の疑問や課題に対する迅速かつ的確なサポート。
  • 機能追加やカスタマイズの支援:事業フェーズの変化に応じたシステム改修のサポート。

システム導入がゴールではなく、その後の運用定着と成果創出までサポートしてくれるかが成功の鍵を握ります。

3. コストパフォーマンスと成果実績

導入費用だけでなく、導入後の保守・運用費用を含めた「トータルコスト」と、それによって「期待できる成果のバランス」を見極めることが重要です。過去の導入事例や成功実績を具体的に確認し、貴社が目指す成果に繋がるイメージを持てるパートナーを選びましょう。

特に、元Salesforceトップセールス出身者が在籍している企業など、Salesforceの深い知識に加え、実際の営業現場での活用ノウハウを持つパートナーは、戦略的な優位性を持つと言えるでしょう。彼らは、Salesforceがどのように顧客のビジネス課題を解決してきたかといった豊富な経験から、コストに対してどのような成果が見込めるか、より具体的なROI(投資対効果)を提示してくれる可能性が高いです。

判断軸が分かったところで、実際に失敗した企業と成功した企業の違いを見てみましょう。

4. 失敗企業の共通点とは?成功するSalesforceパートナー選定のコツ

Salesforce導入で成果を出せない企業には、いくつかの共通点が見られます。これらの失敗パターンを事前に知り、貴社が導入を進める上で避けるべきポイントを理解することで、成功への道を拓くことができます。

ありがちな失敗パターン

  • 要件定義が曖昧: 「Salesforceで全てを解決しよう」と最初から完璧なシステムを構築しようとすると、時間とコストがかかりすぎ、導入が頓挫するリスクが高まります。また、現状の課題が不明確なまま導入を進めると、システムが貴社の業務にフィットせず、結果として活用が進まないケースが多々あります。
  • 実装だけで放置: SIer型パートナーに依頼した場合、システムの実装までは完了するものの、その後の運用定着や現場への浸透を支援する体制が不足し、結局システムが使いこなされないまま放置されてしまうことがあります。
  • 現場が使いこなせない: 導入プロジェクトの初期段階で現場の声を十分に吸い上げなかったり、ユーザー教育が不十分だったりすると、「せっかく高機能なシステムを導入しても、現場の社員が使いこなせなければ意味がありません」。入力ミスや情報更新の手間が多く、分析や共有が困難といったエクセルや紙による管理の限界を解決するはずが、新たな手間を生み出すことになりかねません。

成功企業に共通する視点

一方で、Salesforce導入で成果を出している企業には、以下のような共通点があります。

  • 目的を明確にした段階的な導入(スモールスタート): まずは「営業効率を10%向上させる」「顧客からの問い合わせ対応時間を20%削減する」など、具体的な目的を明確にし、その達成に不可欠な最小限の機能からスモールスタートを切ることが効果的です。段階的に機能を拡張していくことで、現場の負担を軽減し、運用定着への道筋をつけやすくなります。
  • 「伴走型支援」の活用: 導入後も並走し、使い方、活用、定着まで支援してくれるパートナーを選定しています。顧客とのあらゆる接点や情報を一元的に管理し、良好な関係を構築・維持するための戦略であるCRMの実現には、継続的なサポートが不可欠です。
  • 現場と経営の連携: 導入プロジェクトの初期段階から、実際にSalesforceを利用する営業担当者やマーケティング担当者など、現場の声を積極的に吸い上げ、システム設計に反映させることで、自分ごととして捉えてもらい、抵抗感を減らすことができます。経営層はリアルタイムで業績を把握し、迅速な意思決定を行えるようになるため、現場と経営双方の視点からの連携が重要です。
  • 実績に基づく支援ストーリーや事例の重視: パートナーが提供する具体的な成功事例や、その企業がどのような課題をどのように解決してきたかというストーリーを重視し、貴社との相性を見極めています。

こうした成功の要素を備えた「信頼できる伴走型パートナー」とは、具体的にどのような企業なのでしょうか? 最後にその特徴を紹介します。

5. 中堅企業に最適!成果を出す“伴走型”Salesforceパートナーの特徴とは?

Salesforceを導入し、中堅企業が持続的な成長を実現するためには、「成果を出す伴走型パートナー」の存在が非常に重要です。ここでは、特に中堅企業に最適なパートナーが持つ特徴を具体的に解説します。

導入後の運用定着までを支援する体制

単にシステムを導入して終わりではなく、導入後の運用定着まで継続的にサポートしてくれる「伴走型支援」を提供しているかが最も重要な点です。Salesforceは「データの入力・更新がシステム上で効率化され、常に最新の情報に基づいた分析が可能」となることで、営業戦略の立案や意思決定のスピードが向上し、受注率向上や営業効率改善といった成果に直結します。そのためには、「現場の巻き込み」や「ユーザー教育の徹底」、そして「データ品質の担保」が不可欠であり、これらを継続的に支援できるパートナーが求められます。

営業・マーケティング・DXを一気通貫で支援可能な体制

Salesforceは、営業活動の支援(SFA)、マーケティング施策の管理、顧客サポート(カスタマーサービス)まで、顧客に関わる全ての業務プロセスを統合的に支援できるプラットフォームです。そのため、パートナーも特定の部門だけでなく、営業、マーケティング、カスタマーサポート、さらには企業全体のDX推進までを一貫して支援できる体制を持つことが望ましいです。部門横断の連携を推進し、属人的な仕事からの脱却を実現する基盤として、Salesforceを最大限に活用できるような提案力と実行力を持つパートナーを選びましょう。

コストに対して成果が見える支援設計

導入費用だけでなく、導入後の保守・運用費用を含めたトータルコストに対して、どのような成果が見込めるかを具体的に提示してくれるパートナーが信頼できます。単なる費用対効果ではなく、貴社の売上向上や業務効率化、そして持続的な成長にSalesforceがどのように貢献するかを明確にイメージできるよう、具体的な事例やKPI(重要業績評価指標)に基づいた支援設計を提示してくれるかがポイントです。

Salesforceでの多くの課題解決をしてきた知見を持っているか

特に、元Salesforceトップセールス出身者が在籍している企業は、Salesforceの深い知識に加え、実際の営業現場での活用ノウハウや、Salesforceのソリューションがどのように顧客のビジネス課題を解決してきたかといった豊富な経験を持っています。これにより、単なる機能導入に留まらず、貴社の事業戦略に沿ったSalesforceの最適な活用法や、AI活用の可能性など、より戦略的なサポートを受けることができます。

小規模でも機動力高く、柔軟に対応できる文化

中堅企業の場合、大規模なSIerよりも、小規模でも機動力が高く、貴社の状況に合わせて柔軟に対応してくれるパートナーの方が、きめ細やかなサポートを受けられる場合があります。貴社の課題に真摯に向き合い、伴走してくれる文化を持つパートナーを見つけることが、長期的な成功へと繋がります。

まとめ|Salesforceで成果を出すには“パートナー選び”がすべて

Salesforceは、単なる営業支援や顧客管理のツールではありません。中堅企業が直面する「属人化」や「非効率な営業体制」といった課題を解決し、**データに基づいた意思決定を可能にし、部門横断のDX改革を実現する「成長基盤」**です。顧客情報の可視化・共有・分析を通じて、営業効率の改善、マーケティングROIの向上、顧客満足度の向上といった具体的な成果を生み出し、貴社の次の成長フェーズを強力に後押しします。

その効果を最大限に引き出すためには、明確な目的設定、業務プロセスとの整合性、そして現場を巻き込んだ運用定着への取り組みが不可欠です。そして、これらを円滑に進めるためには、貴社のビジネスを深く理解し、戦略から実行までを「伴走型」で支援してくれる最適なパートナーを選ぶことが成功の鍵となります。

Salesforce導入で成果を出すには、機能や価格だけでなく「自社に合ったパートナー」を見極めることが重要です。特に中堅企業では、定着・活用・成果創出まで支援してくれる「伴走型パートナー」が適しています。

もし貴社がSalesforceの導入をご検討されているのであれば、まずは自社の現状と課題を整理し、信頼できる導入支援パートナーに相談することから始めるのが最適です。

株式会社ORIT.は、Salesforceの導入から運用定着までを一貫してサポートし、貴社のDX推進と持続的な成長を支援いたします。

 

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